家族とは・・・

体調をくずして初めて知った家族のありがたさでしたが、これというのも本当に妻の助けが大きかったことはすでに述べました。

そしていま、自分を取り巻く環境も自分の中では非常に満足したものであるということもです。
それというのもやはりこの病気になってそして周囲の人の力で回復できたと思っています。

確かに職業的にはスランプとして見られることもあります。
しかし、考えによってはそんなことよりもっと大事なものを得たと思っています。

家族の絆、そしてなにより自分を取り巻く人たちへの感謝の気持ちを持つことによる充足感。こちらのほうが失ったものよりも大きかったのです。

また、家族の中で考えた場合でも幼かった子供たちが非常に温かい人間性を持って育ってくれたことが一番の出来事だったと思います。

人間とはひとつものを失うことによりまたかけがえのない大事なものを授かるものと感じたものです。そしてそれは逆のことも言えると考えました。　

健やかに成長してくれた子供たち。

今、本当に良かったと心から思っています。

決して経済的には満足のいくものではないかもしれません。
しかし、金銭面だけではけっして取り繕うことができないことがあることを実感しました。

自分の家族を誇りに思うことができる。それがこんなに素晴らしい事。
これが自分の生涯の中で残せたものであると自負しています。

そういう意味ではこの「うつ」といった病気は確かにもう一度人生を考えるための警鐘かも知れないと思います。
そんな警鐘なら、なおさら慎重に対応することにより大きな人生の転機を迎えるタイミングかもしれません。
自分にとってはそのタイミングが今だったと。

そしていま、
人。もう一度、人とのかかわりを考え始めています。